【検証】ゲーミングノートPCへのType-C(USB PD)給電テスト
お試しブログ
パソコンへのType-C給電検証メモ
・動機
充電器を購入し、うきうきしてパソコンに接続するが、充電されない!されてもすぐに切れる!などとうまく給電できませんでした。原因を特定するため、条件を整理して実験を行いました。(※個人の手動検証のため、多少の測定ブレはお許しください)
・使用した機材・ソフト
・計測結果
| 充電器 \ 状況 |
待機状態 |
GPUマイナー |
CPUマイナー |
自作負荷 |
シャットダウン |
| 他PC充電器65W |
〇 通常/静音 35〜45W |
〇 通常 68W安定 |
〇 通常 60W → 数秒後45〜50W |
〇 通常 60W → 数秒後45〜50W |
〇 38W |
| bank100W |
〇 通常/静音 70〜80W |
× 連続瞬断 |
〇 通常/静音 90W |
〇 通常/静音 85W |
〇 40W |
| zolo70W |
△ 通常:瞬断 静音:45〜55W |
× 連続瞬断 |
〇 静音 50W |
〇 静音 50W |
〇 40W |
| ELECOM35W |
×(20V表示のみ) |
未計測 |
未計測 |
未計測 |
〇 30〜32W |
| nano20W |
×(12.2V表示) |
未計測 |
未計測 |
未計測 |
×(12.2V表示) |
・特筆すべき現象
- 瞬断の定義:チェッカーの画面表示が一瞬消え、再起動する挙動を指す。
- bank100Wの挙動:GPUマイナー起動時にチェッカーの表示が100Wを超えたタイミングで瞬断が発生。
- zolo70Wの挙動:通常モードでは数秒耐えることもあったが、要求電力が上がると切断される。
- 保護回路の作動(重要):zolo70Wの通常モードで切断・給電が複数回繰り返されると、PC本体の電源ボタンと充電LEDが点滅し、以降ケーブルを抜き差しするまで一切電流を受け付けなくなった。(※zolo70W以外ではこの保護ロックは発生せず、瞬断を挟みつつ給電が継続した)
・考察
- PC用充電器と汎用PD充電器の違い
GPUマイナー使用時、多くのPD充電器が瞬断する中で「他PC充電器65W」のみが瞬断せず耐え抜いた。PC専用アダプターは突入電流や瞬間的な電力要求に対する過電流保護(OCP)のマージンが広く設計されている可能性がある。
- GPU負荷時の瞬間ピーク電力
GPU使用時にbank100Wやzolo70Wが遮断されたことから、GPUが電力を要求した瞬間に定格上限を超えるスパイク電流が発生し、充電器側の安全装置が働いたと考えられる。
- 受電に必要な最低プロファイル
nano20Wのみシャットダウン時も給電できなかった。これは本PCの受電回路が20V(最低でもELECOM35Wの15V〜20V)を要求しており、9V止まりの小型充電器はハンドシェイクの段階で除外されているのではないかと考えた。
- ネゴシエーションによる消費電力の差
待機状態でbank100Wは70〜80Wを供給しているのに対し、他PC充電器65Wは35〜45Wに留まった。充電器が提示したPDO(電力プロファイル)の契約上限に応じて、PC側が受け入れる電流制限を動的に切り替えていると考えられる。
- zolo70Wの通常モード安定化への仮説
zolo70Wで通常モードを動かすには、どうにかして契約プロファイルを一段階引き下げることができれば、瞬断を回避できる可能性がある。なお、60Wケーブルで試しても瞬断が発生してしまった。
・感想
実験結果をまとめて考察を言語化する中で、充電トラブルのボトルネックがどこにあるのかを論理的に整理することができた。USB PDのパケット通信(CCライン)を直接モニタリングできれば、どの瞬間にどのようなリセット要求が飛んでいるのか、さらに深掘りできそうだ。